こんにちは!今回は脳卒中の後に足がつっぱって歩きにくくなる原因や、どんな治療方法があるのかについて、わかりやすくお話しします。
「歩くときに足がうまく動かない」「つま先が床に引っかかる」「足の形が変わってきた」といった悩みを抱えている方に、役立つ情報をお届けします。
なぜ脳卒中の後に足がつっぱるの?(痙縮の原因)
脳卒中の後、足の筋肉が硬くなって(痙縮)、うまく動かせなくなることがあります。これは、脳からの指令が正しく伝わらず、筋肉が勝手に緊張してしまうからです。
特に足首やつま先の筋肉が影響を受けると、次のような歩行の問題が起こります:
✅ つま先が下がったままで、足を持ち上げにくい(つま先が床に引っかかる)
✅ 足裏の外側に体重がかかってしまう(バランスが取りにくい)
✅ かかとが床につかず、つま先立ちのような歩き方になる
✅ 親指(母趾)が反り返って痛くなる
足のつっぱり(痙縮)による代表的な4つのタイプ
脳卒中の後に起こる足の変形には、4つのタイプがあります。
① つま先立ちになってしまう(尖足:せんそく)
どんな症状?
• かかとが床につかず、つま先立ちのような歩き方になる
• つま先が床に引っかかりやすい
原因
• ふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)が過剰に緊張している
② 足が内側にねじれる(内反足:ないはんそく)
どんな症状?
• 足の裏が内側を向き、足の外側に体重がかかる
• 靴の外側ばかりがすり減る
原因
• すねの内側の筋肉(前脛骨筋や後脛骨筋)がつっぱっている
③ つま先立ち+足のねじれ(尖足内反:せんそくないはん)
どんな症状?
• つま先立ちの状態で、足が内側にねじれる
• かかとが床につかず、歩くときにバランスを崩しやすい
原因
• ふくらはぎとすねの内側の筋肉が一緒に痙縮している
④ 親指が反り返る(ストリアタルトゥ)
どんな症状?
• 親指が反り返り、靴に当たって痛みが出る
• 歩くときに、つま先が床を強く押すような感覚がある
原因
• 親指を伸ばす筋肉(長母趾伸筋)が過剰に緊張している対策
対処法
・ボトックス注射→痙縮している筋肉の働きを一定期間、抑制する効果がある
過去のブログで詳しく紹介しております。
https://physical-harmonie.net/botulinum-toxin-therapy-for-spasticity/
・装具を使い、痙縮している筋肉の長さを固定し、反応を抑える。
・理学療法士の先生に振動刺激やストレッチで短い時間、痙縮を抑えて、歩き方などを学習する。
当店の取り組み
痙縮が起こる筋肉が動きの中でいつ起こるかを観察する。
その筋肉を特定するために超音波画像診断装置を用いて、随意性があるか、痙縮の有無などを画像で観察する。
振動刺激やストレッチを用いて、一時的に痙縮を抑制する。
抑制している時間内に正しい収縮や動きを確認していく。
必要に応じて、ボトックス・装具療法などを病院と連携します。
お困りの方はぜひご相談ください。