おはようございます。昨日、骨盤の衝撃吸収のブログを読んで下さった方々、ありがとうございました。
今、ブログを誰に届けるかを考えながら書いていますが、私はセラピストもしくは患者様にも届けたいと思っております。基礎知識が上がると、予防も出来るし、治すことも出来る。
痛みは組織が傷つくと炎症を起こし、痛み物質が集まり、痛みを引き起こします。
エコーで筋肉の肉離れを引き起こしている場合、触って確認すると、痛みがあります。
しかし、それ以上にそこの組織は固くなってます。(凝りだと思ってほぐすと余計悪くなります)
なぜ固くなるか。
それは傷ついた組織がくっつこうと固めるからです。なので、痛み物質が増えるとと痛いのでみなさんは動かさないように身体が勝手に反応します。これが基本です。
もう一つ!
神経系に由来する痛み
神経は圧迫と伸張に弱いです。
神経が圧迫を受けたり、伸張されると
周りの静脈血管が潰れて、神経の二酸化炭素の排出が困難になり、酸素供給量が低下します。
すると、痛み、痺れを出します。
なので神経系由来の痛みは神経の通り道を柔らかく、よく動くするようにすれば痛む・しびれは軽減します。
本日はお尻の神経について解説します。
この資料は、「上殿皮神経」と「中殿皮神経」の障害について述べたものです。以下に要約します:
1. 背景と概要:
• 腰痛には「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」があり、殿皮神経障害は後者に分類される。
• 非特異的腰痛の中でも、殿皮神経障害は徐々に認識されつつあるが、まだ一般的ではない。
2. 上殿皮神経障害:
• 腰部、特に腸骨稜付近に痛みを引き起こし、放散痛が下肢に及ぶことも。
• 診断は触診による圧痛確認とブロック注射で行われる。
• 治療には神経ブロックや理学療法、場合によっては神経剥離術が用いられる。
3. 中殿皮神経障害:
• 主に殿部内側の痛みを引き起こし、仙腸関節障害との類似が多い。
• 診断は圧痛部位の確認とブロック注射で行われる。
• 上殿皮神経障害と同様、保存的治療や手術が選択肢となる。

4. 診療上の注意点:
• 両神経障害は他の腰椎周辺疾患を併発する可能性が高く、包括的な診療が求められる。
• 診断と治療プロセスは比較的簡便だが、筋・筋膜性腰痛と誤認される場合が多い。
5. 結論:
• 殿皮神経障害は腰痛診療において重要な疾患であり、特に特異的な治療方法が有効なケースがある。
いかがでしょうか?お尻の神経は腰骨と仙骨から出ています。ヘルニアや狭窄症などでも症状は出ますが、この神経の通り道を触り、押さえて痛む場合は、周りをマッサージするだけでも改善が期待されます。
しかし、これは対処療法なので、痛みの原因がどこなのかを詳しくチェックする場合は専門家に頼ってくださいね。
本日はこちらの論文を参考にしています。
上殿皮・中殿皮神経障害の診断と治療
藤原史明*1, 金景成*2, 井須豊彦*3
*1白十字病院脳神経外科, 医長, *2日本医科大学千葉北総病院脳神経外科, 教授, *3釧路労災病院脳神経外科, 部長・末梢神経外科センター, センター長
MB Orthopaedics 37(4): 55-60, 2024.