骨盤における衝撃吸収の破綻と痛み

歩行時に骨盤は立脚と遊脚で別の動きをします。

・骨盤の捻られる力

・足がついた時の衝撃を吸収する力

この2つの力が必要になります。

ここで、衝撃吸収をするのは、脂肪の力です。

骨盤で脂肪が多い所は仙腸関節にある骨間靱帯(詳しくは注釈)です。

骨幹靱帯は脂肪が非常に豊富で、顕微鏡レベルで染色すると神経組織も豊富です。

よって骨間靱帯の脂肪組織を柔かく保ち、脂肪の形を整えると痛みは軽減するし

逆に歪みと脂肪の硬さは痛みを引き起こします。

セラピストの方は骨盤の硬度評価や脂肪を柔らかくする方法を学ぶと良いと思います。

以下に基本的は解剖や運動学について記載しております。

参考になれば幸いです。

注釈
骨盤の骨間靱帯(Interosseous Ligament)は、仙腸関節(sacroiliac joint)の安定性を支える重要な靱帯の一つです。以下が特徴です:


位置と役割
位置: 骨間靱帯は、仙骨(sacrum)と腸骨(ilium)の間に位置しており、仙腸関節の後方部分に存在します。
役割: この靱帯は、仙腸関節の主要な安定化要素であり、関節の微小な動きを制御し、外部からの衝撃を吸収します。


解剖学的特性
• 骨間靱帯は非常に強靭で、仙腸関節周囲の他の靱帯と協調して機能します。
• 組織学的には、靱帯内には脂肪組織が多く含まれており、クッションのような役割も果たしている可能性があります。


臨床的な観点
• 骨間靱帯は、痛みを伝える神経終末が多く存在する領域です。このため、仙腸関節由来の痛みの治療や診断において注目されます。
• 後方靱帯ブロックでは、骨間靱帯が重要なターゲットとなります。


骨間靱帯は、仙腸関節の安定性と衝撃吸収に不可欠な構造であり、仙腸関節の機能や病態を理解する上で重要な要素です。

1. 仙腸関節の進化と役割
仙腸関節は二足歩行に適応して進化した関節であり、骨盤内で重要な役割を果たします。
わずかな可動域で体幹と下肢からの衝撃を吸収し、効率的な二足歩行を支えています。

2. 解剖学的特徴
関節は仙骨と腸骨の間にあり、前方の関節腔領域と後方の靱帯領域で構成されています。
仙腸関節周囲の靱帯や形状が、可動域を制限しながら安定性を提供します。

3. バイオメカニクス
歩行周期に応じて、仙腸関節面の接触位置が変化し、歩行の効率性を高めています。
左右の仙腸関節は互いに連動して動き、片側の前屈(nutation)時にもう片側は後屈(counter-nutation)します。

本日、参考にした論文はこちらです(OPENではないので、閲覧は購入が必要です)
仙腸関節の機能解剖とバイオメカニクス
黒澤大輔*1, 村上栄一*2, 佐中孝二*3, 豊原涼太*4, 大橋俊朗*5
2024/4 MB Orthopedic

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