脳卒中(脳梗塞、脳出血) 運動麻痺へのアプローチ

脳卒中の回復 アプローチについて

脳卒中はどのように回復していくのか??

  1. 障害された脳の神経細胞以外で機能を代行する
  2. 脳の正常部分を使用する
  3. 脊髄に存在する神経を使う

という事を考えてアプローチします。

脳卒中になると、脳の血管が出血したり、詰まったりする事で脳の構成要素である神経細胞が栄養失調で使えない状態になってしまいます。

神経細胞は身体の指先まで直接つながるものもあれば、何個かの神経細胞をまたいでいく場合もあります。

要するに動かしたい時に電気を送って動かしてくれる司令塔のような役割をするわけです。

司令塔部分である神経細胞が死んでしまうとそれに関連する手足に力が入らなくなったり、変な力が入ったりコントロールが出来ない状態に陥ります。

これを専門的に言うと、随意性の低下、姿勢筋緊張異常などと呼ばれます。

①動かしたい手足が動かない、変な力が入る

②座ったり、立った状態を維持したいけど全然うまく姿勢が保持出来ない

このような状態を回復し、家での生活や仕事に復帰するためにリハビリをします。

何をするか。

動かしたい部分を何度も何度も意識的に動かそうと頑張るリハビリをします。

すると、神経細胞同士がくっついてきて、新しい電気の経路が再獲得され、手足の動きが出現します。

これが

  1. 障害された脳の神経細胞以外で機能を代行する

です。

手足を動かしたい神経細胞A君が病気で休んでしまっても、近くの元気な神経細胞B君が代わりに手足を動かそうと頑張ります。でも一人では動かせないので、色んな神経細胞が手を取り合って、結果、動くようになります。

一度、仲良くなった神経細胞はなかなか離れません。使う事でより強く強く結びついていきます。

ここで考えて頂きたいのですが、

動かしにくい手足を自分で動かして、果たして何回動かせると思いますか??

正常な人でも筋肉トレーニングを何度もしていたら疲れますよね?麻痺になった手足はなおさら疲れます。

頑張っても20〜30回です。

頑張る事が全てではない。動いた回数とその動かし方が重要。

私のアプローチは、患者さんが自分で頑張って何回も動かすリハビリはほとんど行いません。

動かすのは、完全に私が行います。

回数は1000〜10000回は動かします。

そして、動かしている関節の角度や速さ、タイミングなど、手足に良いリズムで行います。

この身体を動かしたという感覚は、固有感覚と言います。そして触ったという感覚は、表在感覚といいます。

この2つを最適な方法で刺激する事で、脊髄の中にある神経細胞とのネットワークを作ります。

これは、3、脊髄に存在する神経を使うに該当します。

全ての体を動かす時に、一つ一つ意識して行う事はありません。意識して行う運動は脳の表層部分の一部の神経の役割です。

実は多くは背骨の中にある神経細胞が自分たちで考えて最適な運動を作ります。

重要な事は、脳卒中で問題となった脳の神経細胞は病気になっていますが、背骨の中にある神経細胞はピンピンしている。元気なんです。

その神経細胞を使わないともったいない!

そこで、動かない手足をお手伝いしながら精一杯、動かしてあげる事で動く感覚を呼び起こすことが大事です。

最後に、2、脳の正常部分を使用する

ですが、脳卒中になって、元気な部分があります。これは生命維持に必要な脳の根底部分です。

ここの多くは、障害される人が比較的少ないです。

どういう部分と言いますと、私たちが何気無く座ったり、立ったりしている時に自動的に姿勢を調整する機能を持ちます。

バランスを保って転けないのは、ここの脳の根底部分がしっかり働いているからです。

では、脳卒中になるとどうなるか。

①手足が動かない

②動かない手足を動かすために姿勢を調整する筋肉(体の幹である体幹 )を使って、手足を持ってくる

③動かない手足は身体にとってただの重たいもの

④本来、バランスを保つためにある姿勢を調整する体幹 は手足を動かすために働き出す

このパターンで歩いたりすると、どんどん片麻痺になります。半分動いて、半分動かないが顕著な状態になります

ではどうするか。

本来、姿勢を保つための筋肉はしっかり姿勢を保つ役わりを担ってもらいます。

体幹 をしっかり使うには、寝返りとか起き上がり、座るが重要です。

前のブログで話しましたが、歩く事は3ヶ月後、高い確率で歩けるようになります。

先に行うべきは寝返りとか起き上がりのリハビリが大事です。

これは脳の根底部分をしっかり使う運動です。

当店のアプローチは、脳の事をしっかり考えたアプローチです。

本日でおさえておきたい事は、脳卒中の治療は、頑張って動かしてを繰り返す、根性論ではありません。

動かない手足は、脳にとって良いように何千、何万回と我々が動かして、歩くことを急がず、姿勢を調整する機能をもつ脳の根底部分をしっかり使う寝返り、起き上がり運動を行い、手足の回復を妨げない、脳が障害されていない脊髄や脳幹部分などを多いに使う事です。

Physical Harmonieは、脳卒中片麻痺になった方々のお力になりたいと思います。一度、ご相談下さいね☆

次回のブログは脳卒中の歩行について記載します。

 

関連記事

  1. 脳卒中(脳梗塞,脳出血)のリハビリ 支える足の作り方

  2. 脳卒中(脳梗塞、脳出血)による運動麻痺 リハビリについて

  3. 脳梗塞後、脳出血後のリハビリ 手の治し方

  4. 芦屋・西宮で促通反復療法が出来る施設です

  5. 脳の回復について

  6. 脳卒中(脳梗塞、脳出血)のリハビリ 歩行が上手くなるには?