脳卒中のリハビリ 足が床に着かない。内反尖足について
本日もBLOに起こし頂きありがとうございます。
今日は麻痺している足について書きます。
題名の内反尖足というのは、この様な状態です。
足を床につける際に足首が内側を向いて、前外側の足底にしか足が着かない状態になります。
この状態になると、上手に足底が接地しないので、麻痺側の下肢に上手に力が伝わりません。まず、なぜこの様な状態になるのでしょうか?
脳卒中発症後はすぐにこの内反尖足にはなりません。歩行練習を続けていくと、ある一定の体重のかかり方によって、筋肉が反復的に伸長され、硬くなっているからです。麻痺の影響もありますので、筋肉自体の反応も正常とは違う反応を起こします。
ではなぜこの状態が起こるのか?
足首が上がらない
私たちは足をつく際、ほぼ必ず踵から接地します。
これは、踵接地と言って、足を前に送り出す時に足首が上を向いているから可能なわけです。
麻痺することによって足は上を向けれないため、必然的に前足の外側からつく事を強制されます。
その状態で体重を乗せると、
ふくらはぎの後ろの筋肉が何度も何度も急激な伸長を受けます。
麻痺していない筋肉であれば、この急激な伸長を受ける前に筋肉を収縮して守ります。
しかし、麻痺になると収縮して筋肉を守ることが出来ません。
なぜ収縮しないのか?
筋肉のセンサー 筋紡錘
少し、小難しい話ですが、
A)の左は筋肉(錘外筋繊維)で右がセンサー(錘内筋繊維)です。
これを錘で引っ張ると、筋肉もセンサーも同時に伸びます。
センサーは伸ばされた事に対して、筋肉を収縮させます。これがあるおかげで筋肉は守られていますし、普段の生活でも勝手に筋肉に収縮が入り、姿勢を保ったり、運動したりしています。
B)は筋肉が伸びて、センサーが働いて、筋肉が収縮すると、センサーは緩むので、筋肉は収縮を一次的にやめます。
C)しかし、ずっとやめるわけには行かないので、センサー自体も収縮し、いつでも筋肉を収縮できる状態に備えます。
このセンサー自体が長さがを適切に変えて、いつでも筋が働く準備をしている事がご理解頂けますでしょうか。
麻痺になると、筋肉のセンサーの反応が悪くなり、
筋肉が伸びた→センサーが働く→筋肉を収縮→センサーも適切な長さにして準備をする
ここの反応が落ちます。これはこの筋肉が悪いわけではなく、このセンサーと繋がってる脳の神経が繋がっていない状態だからです。
なので、痙縮(けいしゅく)と呼ばれる、足首がガクガクする現象が起こります。
センサーが十分に働いていないのに、反復的に伸長を起こすと足首がどんどん収縮し、筋肉、正確には筋肉などを包む結合組織と呼ばれる膜が非常に固くなります。
なので、麻痺の改善に向けて重要な事は
筋や筋膜と呼ばれるセンサーに正常な感覚を入れるために
筋と筋膜自体を柔らかくする事、
過度な伸長刺激を加えない範囲で動かす事、
筋肉や膜の長さの変化を与えながら体重をかける事
となります。
どうしても足首が治らない場合
足首が動かない、固くなった状態になると装具が処方されます。
しかし、この装具の適応は非常に難しく、場合によっては足首の機能回復する伸び代を潰す可能性もあります。
足の機能を最大限に保持しながら、サポートするくらいの装具がベストです。
当店では、装具はあまり使いません。装具のつけ外し、装具用の靴を選ぶ事などを考えると手間が非常に増えますので、可能性がある限り、装具なしでリハビリを進めて行きます。また、装具なしで歩くことで足首のリハビリにつながります。
本日は足首の麻痺についてでした。
本日もBLOGをご覧頂きありがとうございます。
運動麻痺でお困りであれば、一度ご相談くださいね☆